11月の新着資料、国内編です。
戦場の宮古島と「慰安所」―12のことばが刻む「女たちへ」日韓共同「日本軍慰安所」宮古島調査報告
なんよう文庫 1800円(税込み)
9月にアジア女性資料センターでも慰霊碑建立1周年のスタディツアーを企画しましたが、戦争中に沖縄の宮古島につくられた日本軍「慰安所」について、日韓のチームが数年がかりで調査されてきた結果が、ようやく書籍にまとまって出版されました。
宮古島における「慰安所」に関する調査研究はたぶんこれが初めて。そういう意味でも貴重な本ですが、「慰安所」につれて来られていた女性たちとのかかわりを、それぞれの思いをこめて証言されている方たちの言葉ひとつひとつが印象的で、こういう形で「慰安婦」問題が語られた記録を初めて読みました。聞き取り時の写真もたくさん載っていて、これらの証言が集められたときの雰囲気まで伝わります。調査研究と運動が自然に両輪になった活動の重要な記録だと思います。アマゾンでは扱いがないようですが、
こちらのサイトから注文できるようです。参加と協働のデザイン世古一穂(編著)学芸出版 税込み2625円
NPO下請け化にNO! NPO法施行から10年、日本に参加協働型市民社会は形成されたか。男女協働参画や、子育て、貧困問題に取り組む女性のNPOが増えている一方で、「協働」という美名のもと、NPOが行政の下請けとなるケースが増えている。本書は、世古一穂の参加と協働のデザインの理論を世古自身が再整理するとともに、現場が抱える協働の課題を再考し、真の市民社会実現のための仕組みづくりとジェンダーの視点をもった公共哲学の必要性を訴える。
マスメディア再生への戦略「マスメディアは危機の時代を迎えているが、真の危機は記者と市民の意識のズレにあるのではないか?特に現在のマスメディアにはジェンダーの視点が弱い!」著者はマスメディアを再生するにはNPOとの協働が必要だとし、市民の視点に立った「公共する」ジャーナリズムとマスメディアを検証する中間支援NPOの創設を提唱する。フェミニズム運動を理解し、協働できるジャーナリストを生み出していくことの必要性に気づく一冊。
世古一穂・土田修(著)明石書店・税込み2310円
新編 日本のフェミニズム日本社会におけるフェミニズム思想をかたちづくってきた多様な言説を幅広く収めたアンソロジー「日本のフェミニズム」の新版。全12巻のうち10冊が刊行されてます。論文だけでなく、運動のことばやエッセイなど幅広く目配りがされていて、日本のフェミニズムの多様性を実感できます。松井やよりさんをはじめ、アジア女性資料センターにつながる人びとの文章も多く収められています。
岩波書店 定価2,625円~
子どもと親と教員のためのLGBT入門ガイド(パンフレット)2007年に立ち上がった、日英のLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)の若者たちの交流プロジェクトから生まれたパンフレット。異性愛規範をおしつける学校生活や家族の中で、誰にも言えずに悩みを抱えこんでしまうことの多いLGBTユースはもちろん、彼らの周囲の親や教員たちに助けになる情報をもりこんであります。YEPの公式サイトから全文ダウンロード可能。
日英LGBTユース エクスチェンジ プロジェクト(YEP)実行委員会 制作
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