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ポストコロニアリズムとジェンダー
ポストコロニアリズムとジェンダーポストコロニアリズムとジェンダー
(2010/04)
菊地 夏野

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菊地夏野(著)
青弓社 3000円+税

本書は軍事占領期沖縄の売買春と日本軍「慰安婦」制度を取り上げ、女性の表象を問い直し、「女性の分断」を丁寧に分析する。売買春を巡って繰り返されてきた「自由意志対強制」の構図の中で女性は分断されてきたが、本書が指摘する「分断」とは「自由」と「強制」との間で引き裂かれた「女性」だけではない。これまでのフェミニズムや女性運動が掲げた「女性」というアイデンティティそのものも、「他者」を生み出し沈黙を強いる可能性があることを本書は示唆する。そして女性を「分断」する力そのものがセクシズムであると鋭く指摘し、軍事占領期の沖縄と日本軍「慰安婦」制度の中で、誰の声が沈黙を強いられてきたかを丁寧に読み解き、2000年に開催された「女性国際戦犯法廷」を評価しつつ、性差別と民族差別、階級差別を構造化した現代日本社会のありようを見つめ直す。本書は最後に、沈黙と分断を克服するための重要な視座を与えてくれる。「女性間の分断において誰が沈黙させられているのかという問いから始めなければならない」(p.346)。(松本真紀子)
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