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ジム・ローチ初監督作品『オレンジと太陽』試写会に行ってきました。
宗主国イギリスの品行方正なジェンダー秩序のために、「未婚の母」の子どもたちを福祉の名目で「保護」し、白豪主義政策下の人口増加のために、なかば児童労働者として植民地オーストラリアに13万人の児童移民が送り込まれた。1970年まで続いたこの児童移民のサバイバーたちは、自分が何者なのか、自分の親が誰なのか、自分の本当の名前は何か、辛い思いで問い続けてきた。イギリスのソーシャルワーカー、マーガレット・ハンフリーズ(エミリー・ワトソン)が偶然の出会いから、オーストラリアに送られた児童移民のルーツ探しに情熱を傾けた実話に基づく作品。作品の制作中に、イギリスとオーストラリアは両国の国策によって別離を強いられた家族たちへの謝罪を行う出来事もあった。

瑞々しいオレンジと太陽の国といううたい文句でオーストラリアに渡ってきたレン(ディヴィッド・ウェナム)やジャック(ヒューゴ・ウィーヴィング)たちが、壮大な大地で奪われた幼年期のトラウマを抱えながら、誇り高く生きてきた勇気とやるせなさがオーストラリアで撮影された映像から伝わってくる。トラウマを抱えたクセのある大人たちに寄り添おうとするマーガレットの強さと感受性にも心が魅かれる。人間には、人生の真実を知りたいという普遍的欲望がある。過去の傷を理解するという精神的な困難を乗り越えることで、新しい人生を歩む力をえられるのだというメッセージが伝わってくる。

子どもが送られたオーストラリアの修道院における性的虐待の問題にも触れられている。告発者への圧力と教会関係者による口封じのための結束がそう遠くない1980年代にあったことを知り、オーストラリアの暗部をみた思いが残る。
(徳永理彩)

映画は4月14日(土)より岩波ホールほか全国順次公開。
http://oranges-movie.com/
http://oranges-movie.com/
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