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北京+10報告

3月10日新決議案で流れはどうなる?/NGOの目はこの先へ

 朝国連ビルに入ると、アメリカが昨晩出したというあたらしい人
身売買と経済の決議案の話でもちきりになっている。これまでの各
国の提案やNGOからの要請をまったく無視する内容らしく、またも
やの一国主義に、多くの国が頭にきているとか。共同スポンサーが
みつからない場合、今回の会議での採択は見送られる可能性も出て
きたという。問題は、誰もその最新案を実際に見ていないというこ
とだ。

 アフリカのNGOチームが作成し、毎日無料で配られている新聞、
GEM Newsによれば、あたらしい決議のタイトルは「人身売買の需要
の削減」から「需要の廃絶」とすることで合意されたようだ。「需
要を廃絶すること、とりわけ商業的性搾取への需要を廃絶すること
は女性や少女の人身売買を根絶するうえでの鍵である」としてお
り、「搾取者」は人身売買の原因と結果について知らされるべきだ
という提案も入っていると書かれているが、どういうことか私には
よくわからない。アメリカの意図は売春の合法化に反対することに
あるとGEM Newsは見ており、中絶と同様、アメリカはこの政策を対
外援助に反映させようとしているという。

 カフェで記事を読んでいたら、APコーカスのラティが、ほらね、
これがアメリカのやりかたよ、とすごい勢いで怒りながらやってき
た。隣りの席に座っていたアフリカの女性が口をはさんできて、女
性が国境を自由に移動できないからブローカーに利用される、働き
たい女性の自由な移動が保障されればいいのだ、という。おどろい
て、でも人身売買は国境を越えてだけ起こっているわけではないで
しょう、国内の人身売買はどうなるの、と聞くと、問題は貧困だ、
貧困と移動の保障を、とあっさり答える。どこまで本気なのか、こ
れがアフリカでの中心的考え方なのか、困惑したが、それ以上議論
する気にならなかった。

 9時からのNGOブリーフィングと11時からのアジア太平洋コー
カスでもうすこしくわしい情報がはいってくる。経済については、
もともと「女性の経済的エンパワメント」というタイトルで提示さ
れた案が、あたらしい案では「女性の自主事業entrepreneurshipと
経済的エンパワメント」というタイトルで合意されたという。ほん
とうなら、とんでもない後退だ。せっかく各国やNGOの介入によっ
て「経済的エンパワメント」の意味を、女性の市場参加から市場の
枠組みを見直すことにまで広げようとしていたのに、起業だけに過
剰に焦点があてられたりしたら、視野が狭いどころの話じゃない。
最悪だ。

 津波の決議には「人権」という言葉が入ったのでよかったが、逆
にジェンダー主流化の決議からは「人権」が削られてしまった、と
いう。人身売買についてはあいかわらずよくわからない。昨日、人
身売買コーカスに冷たくあしらわれて以来、ヨーロッパのコーカス
のメンバーを探そうとしているが、彼らにもなかなか会えないまま
だ。会議の流れは気になるが、いずれにしてもできることがほとん
どないということもわかっている。

 それに今日は憲法24条キャンペーンの関連で、「家族の価値」
のおしつけに対してフェミニストの視点から活動している人々と連
絡をとらなくてはいけない。12時前に国連ビルを抜け出して、フ
ェミニスト・ラジオプログラムを主催しているFIREのマリア・スア
レスに日本の憲法24条キャンペーンの話をしにいく。FIREは女性
国際戦犯法廷のときにラジオインターネット中継をしたグループだ
が、つねにクリエイティブな活動をしていて注目していた。マリア
も、話し出すと人をひきつけてやまない魅力にあふれた人だ。今日
はあまり話をする時間はなかったが、メールで議論を続けようとい
うことに。

 続けて、いまサンフランシスコにいる著名なフェミニスト法学者
マーサ・ファインマンに電話で連絡をとり、同じような相談をす
る。ここから地下鉄に乗り、マーサと同じく、ブッシュ政権の婚姻
促進政策に反対して活発な活動をしているLegal Momentumのオフィ
スを訪問する。ここでは2時間にわたってゆっくりとお互いの情報
交換をすることができた。日本とアメリカの間のたくさんの違いに
もかかわらず、なんと多くの共通点があることか、おたがいにびっ
くりする。右派はまちがいなく国境を越えてやりかたをまねてい
る。こちらも国際ネットワークを作っていく必要で合意する。

 国連ビルにとって返すと、ちょうどチャーチセンターで大きな集
会が終わったばかりらしく、人々がたむろして話している。私がす
ごく行きたかったEUの女性たちによる人身売買集会にちがいない。
ひとりをつかまえると、今度こそヨーロッパ女性ロビーだった。EU
はひとつの声で話そうとしているけど、中絶を完全に合法化してい
るオランダのような国とスウェーデンとの間のへだたりは大きく、
被害者の保護を主張してはいるが、細かい点になるとなかなか難し
いのだという話。NGOもたしかにひとつの声で話してはいない。

 会議も終わりに近づき、NGOは今回の会議の評価をもとに、すで
に次にむけた議論を始めている。アメリカに振り回され、代表や情
報へのアクセスが著しく制限された今回の会議の反省をもとに、ア
ジア太平洋コーカスでは、今回は見送られた第5回世界女性会議を
NGOのフォーラムとして開催すべきではないかという提案も出た。
これに対しては既存の制度を動かしていくためにはECOSOCの枠組み
を維持するべきではないかという反論もたくさん出た。とにかく9
月に予定されているMDGに向けて、今回の北京+10の結果だけで
なく、CEDAW、ICPD、WCARなどこれまでの重要な国際会議・機構の
成果をもちこみ、女性の権利が開発枠組みや国連改革のプロセスと
別々のものではないことを確認させていこうという議論をする。こ
のためにAPコーカスの強化も課題となるだろう。

 これはむろんアジア太平洋だけの関心ではなく、リンケージコー
カスでも同じ方針が議論された。具体的な目標のひとつは、国連の
中にある女性の地位向上のための機構強化だ。UNIFEM代表ノーリー
ン・ヘイゼルとジェンダーに関する国連事務総長特別アドバイザー
のレイチェル〔ファミリーネーム忘れた〕も顔を見せ、これらの機
構が過去数年で拡大した仕事に対応するだけの資源を与えられてい
ない現状を報告、NGOと協力して国連改革のプロセスに女性たちの
関心を反映させる必要を議論した。リンケージコーカスは明日最終
日に国連及び各国代表にこの問題に関するレターを提出する。時間
をみつけて翻訳します。さてこれから最終セッション。

本山央子
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