北京+10報告
世界北京女性会議から10年。北京で採択された「北京行動綱領」を
再確認すべく「北京+10」と呼ばれる第49回国連女性の地位委員会が
ニューヨークで2月28日から3月11日まで開かれます。
アジア女性資料センターから運営委員が4名参加しています。
NYから生情報をホームページ上でレポートします!!ご期待ください!
---機関誌最新号より---
対バックラッシュの今後決めるCSW 2月末からNYで
国連北京女性会議から10年。女性の権利が、あらゆる政策の中心課題
として意識されるようになったと同時に、抑え込みを図るバックラッ
シュも激化した。2月28日から3月11日まで、ニューヨークの国連本部
で開かれる国連女性の地位委員会(CSW)は、この「バックラッシュ対
女性の人権」の構図の今後を決める会合になりそうだ。
CSWは国連の経済社会理事会に設けられ、45の委員国から委員が毎年
集まって、女性の地位向上のために話し合う。今年の第49回はCSWを
閣僚級に格上げし、準女性会議として行われる。5回目の国連女性会
議を避け、こうした形で会合が開かれることになった背景には、バッ
クラッシュの影がある。
92年のリオデジャネイロ環境会議から95年の北京女性会議まで、90年
代前半は女性の人権が国連の大会議の主流のテーマになった時期だっ
た。しかし、北京会議では、バチカンなどのキリスト教原理主義と、
イランなどのイスラム教原理主義の国々が、女性の中絶権などのリプ
ロダクティブヘルス/ライツ(女性の性と健康についての権利)や、
伝統・慣習を理由にした女性への暴力の廃絶の文言に強く反発。揺れ
に揺れた末、これらを盛り込んだ北京行動綱領が採択された。
その後、キリスト教原理主義は米国で勢いを伸ばし、ブッシュ大統領
の強力な支持母体として今回の再選で勢いづいている。正式な女性会
議を開けば、米国政府が女性の中絶権などを否定する決議の採択に動
く恐れもある。これらの判断から今回は、「北京行動綱領の再確認」
を議題とするサブ会議となった。
事前の地域会合では、米国が中絶の権利などを削除した新文書の作成
を執拗に主張。CSWの場で、その種の提案がうち出される恐れも強い。
こうした動きを、アジアや欧州など各地の政府・非政府組織がどう連
携し阻止するか。それが、今後の日本でのバックラッシュ対策にも、
重要なカギになりそうだ。
竹信三恵子/ジャーナリスト
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