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 2015年7月23日、ジャーナリストの川田文子さんをお招きして『女たちの21世紀』「フェミニスト視点で問う 戦後70年」特集刊行記念イベントを行いました!

会場の様子
(会場の様子)

 川田さんは、「慰安婦」として被害に合われた方々への聞き取りを通して、「慰安婦」問題について調査を行ってきました。調査を70年代から続けてきた川田さんは、初期から一貫して被害者の方々に寄り添うような丁寧な調査姿勢を持っています。今回の『女たちの21世紀』特集号の中では、「証言から見えた『慰安婦』被害者の戦後」というタイトルで被害者の裵奉奇(ペ ポンギ)さん・石川たま子さん(仮名)・宋神道(ソン シンド)さんの経験を紹介しました。

 今回のイベントでは、誌面では紹介できなかったタミさん(仮名)の戦後についてのお話でした。川田さんからしか聞けない貴重なお話を聞き、被害にあった元「慰安婦」の女性たちの戦後とはどういうものだったのか、普段社会で語られることのない個々の被害女性たちの思いや経験を考えるきっかけになりました。

 川田さんのお話によると、タミさんは貧しい家庭に生まれたため幼い頃からずっと親元を離れて働き、十代で日本の千葉県の「慰安所」で働くことを余儀なくされました。戦争が終わってからも、ずっと自分が「慰安婦」であったことを周囲に隠してきました。というのは、戦時中から「慰安婦」たちは社会から蔑まれる対象とされてきたため、タミさんは周囲に知られることをずっと怯えていたそうです。

 タミさんは88歳になった現在も自営業をしながら元気に過ごしていらっしゃると、川田さんは笑みをこぼしながら言いました。しかし、そんな働き者のタミさんも「慰安所での経験に対しての汚辱感がきわめて強く、それを削ぎ落とすために必死で働いてきた印象」があると川田さんは付け足します。今回のお話の中で川田さんは、慰安所での経験は被害者たちのその後の人生に強く影響していることを強調していました。

 タミさんについてのお話の中で、川田さんは「慰安婦とは人生被害」であると言っていました。続けて、「たった一回のレイプでも、その人の人生を変えてしまう」というのが性暴力の特質だと言います。川田さんが聞き取りを行ってきた被害者女性たちは、「慰安所」から解放された戦後も屈辱感やトラウマでずっと苦しめられてきました。また、近年「慰安婦」にされた方々への侮辱的な発言や事実否定などが目立ち、二次被害にも合われています。ですから、ある意味では彼女たちにとって戦争は終わっていないのです。

 川田さんのお話を通して、元「慰安婦」の女性たちの戦後というのは決して平和なものではなかったということが印象に残りました。ほとんどの元「慰安婦」たちは、「慰安所」から解放された戦後も、ずっと精神的に苦しんでこられました。政府はいまだに元「慰安婦」として被害にあった方々へ公式な謝罪も賠償もしていませんし、過ぎたこととして早く清算してしまおうという姿勢がうかがえます。終わったこととして、いとも簡単に忘れようとする加害者と、忘れたくても忘れることができなくて心の中で葛藤を続けている被害者との、かけ離れた姿勢が表れています。

 私たちが享受してきた「戦後の平和」ですが、沖縄の人々や在日外国人の方たちはもちろんのこと、タミさんをはじめ人権を踏みにじられている/きた数多くの女性たちの犠牲の上に成り立っていることを忘れてはなりません。旧日本軍による性奴隷制度の被害者たちの声はさまざまな抑圧によって隠されてしまいがちですが、川田さんはそんな声なき声に耳を傾け記録してきました。「最近は自慢話ばかりしている」と話す川田さんですが、最近、癌の手術を乗り越えたばかりです。私は被害女性たち一人ひとりの詳しいエピソードや証言を聞くのは初めてだったので、彼女たちの経験がぐっと近くに感じる思いがしました。もっともっと近代日本の歴史の中で生きてこられた女性たちの経験が知りたくなり、イベント後思わず川田さん著作の『ハルモニの唄』を購入してしまいました。またお話を伺う機会があればぜひ参加したいです。

(AJWRCインターン 安藤)

※川田さんが聞き取りを行ったその他の被害者たちの証言は『女たちの21世紀』No.82で紹介されています。
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